aruto's diary

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DQ9は17年ぶりの傑作だと思う

プレイする前は「最近のドラクエいまいちだし、スルーして値下がり待ちでも良いんじゃないかなあ」とか思ってたんです。でも「時間経つとすれちがい通信がやりづらくなるかも」とか「意外と値下がりしないかも」とか思っちゃって、えいやっと購入ボタンを押してしまいました。
定価5980円はDSにしては高いと思いましたが、Amazonなら5000円切ってますし、DQ8が9240円したことを考えると、そんなに高くないように感じてきました。

  • 特徴

(プレイしたことない人向けです。プレイ済みの人は、この文節を読み飛ばしてもかまいません)
転職ができる、マルチプレイ可能、すれちがい通信、追加ストーリーのネット配信、「クリアした後が本番」と呼ばれるやりこみの深さ……などがあります。
転職システムはDQ3と同じく「転職するとレベル1からやりなおし」です。違う点は「元の職業に戻ると、以前のレベルに戻る」点でしょうか。つまり複数の職業をレベル99まで上げることができます。
DQ3とは「全部のジョブを99まで上げる」やりこみ要素がある点、DQ6とは「熟練度ではなくてキャラのレベル自体を上げる」点が異なります。
ポイントは「転職しても、スキルは他の職業でも使える」事でしょうか。レベル1でもMPさえあればギガスラッシュできますし、魔法使いもスキルがあれば剣が装備できます。そういう点で「キャラ育成の自由度が高い」とも言えます。
FF11に近いですが、「転職しても前の職業のスキルはなくならない」点が違います。
ラグナロクオンラインを彷彿とさせる「転生」システムもあります。スキルを維持したままレベル1に戻れるので、全てのスキルを極めたい人向けですね。
やり始めると終わりません。

  • 何が良いか

過去作の反省がよく生かされているように感じます。

    • 移動しやすい

「ルーラの消費MPがゼロ」てのは、よくわかってると思いました。ストーリーの都合でぴょんぴょんいろんなところに飛んでフラグを立てないといけないので、いちいちMP8減ってたらやってられません。宝の地図探しなんて、攻略本使わずにやろうとすると、何度もルーラ使うハメになります。
「戦闘してないのにMPがゼロになっちゃった」とか困りますし、そもそもMPが無い職業に転職したとき困りますね。そのへんよく考えられています。

    • 見た目にこだわることができる

DQ6に「かっこよさ」なんてありましたが、数値だけでした。伝説の武器防具を装備しても、グラフィックはデフォルトのままなんですよね。
今回は違います。武器防具を装備すると、グラフィックに反映され、移動時/戦闘時、常にその見た目になるわけです。
「性能を重視するか、見た目を重視するか」という、今までのドラクエにはなかった嬉しい悩みもあります。


うーん、見た目は大切ですね!

    • 戦闘を避けることができる

よく「時代遅れのランダムエンカウント制」と言われることに配慮したのか、シンボルエンカウント制に変わっています。表示されるモンスターシンボルに触れなければ、戦闘は始まりません。
よくできているのが「弱い敵は、向こうから襲ってこない」「あまりに弱い敵は逃げていく」点。無駄な戦闘を回避できます。本来LV99のパーティにスライムが襲いかかってくるなんて不自然ですし、その点を解決したと言えます。移動のテンポ向上に一役買っていますね。

    • 通信

今までのドラクエは「ひとりでプレイするもの」でした。決定的に違うのがこの点です。ホストの世界へ遊びに行き、ともに冒険することができます。なんと、まだ自分が行ったことがない街へ行き、買い物することもできます。強い装備も買えます。
他人とアイテムの受け渡しもできます……が、レアリティの低いものだけですし、装備は受け渡しできません。さすがにこのへんは考えられていました。
Wi-Fiショッピングも特徴的です。ふだん買えないものをお金で買うことができます。「ちいさなメダル」が1000ゴールドで買える時代が来るなんて、誰が想像したでしょうか(ただ、ふつうにプレイするとゲームクリア時に全体の4割も集まりません)。
すれちがい通信での地図の獲得にも注目です。宝の地図を入手することで行けるようになるダンジョンの内部はランダムで作られており、「メタルキングしかいない」なんてフロアもあります(いわゆる「まさゆきの地図」)。もうなんでもありですね。無限の可能性があります。
堀井雄二がバランス調整に苦心した事は想像に難くありません。

    • 追加クエスト

昨今の流行も当然にように取り入れています。Wi-Fiでクエストが追加されますので、「このゲーム全部クリアした!」と思っていても、一週間後にはまた未クリアのクエストが出てくるわけです。

  • 欠点

「クリアしたのにクリアした気がしない」ところでしょうか。ラスボス倒しても「To Be Continued」ですし、未解決事件もあります。だいいちゲームクリアした時点では空が飛べません。
DQ3〜8は「徒歩→船→空」とゲーム内で移動手段が進歩していきましたが、DQ9はクリアした時点では最後の「→空」がありません。その後クエストをクリアすれば空が飛べるようになります。
ボリュームが豊富という点では良いのですが、1つのゲームに50時間程度しか割けない人の場合、すべての要素を堪能することができません。

  • 前作までと比較

DQ8は正直いまいちに感じました。ククールとかゼシカとかキャラは非常に良かったんですけど……。魅力的な新要素がなかった点が不満でした。
歴代ドラクエの進化を表にしてみましょう。

DQ1 (初代)
DQ2 パーティプレイができるようになった
DQ3 パーティを自由に作れるようになった、転職など
DQ4 「AI」で仲間が自分で考えて動くようになった
DQ5 モンスターを仲間にできるようになった
DQ6 レベルを維持したまま職業が変わる、新しい転職システム
DQ7 石版、移民、モンスターパークなど
DQ8 完全な3Dになった

DQ8は3D化以外に「スキル制」もありますが、他と比べるとやはり弱い。見た目は大きく進化しましたが、ゲーム内容自体はあまり変わりませんでした。それと比べるとDQ9の進化っぷりがよくわかります。
8は見た目の進化と裏腹に、内容自体はあまり進化していなかった事が不満点でした。DQ9は見た目ではDQ8に及びませんが、システムの進化っぷりがもう素晴らしい。
個人的には1→2,2→3の大きな進化に匹敵するのではないか?と思いますよ。特に「ドラクエは一人遊びではなくなった」「毎日何かしらの変化がある」これは革命的な変化です。
Wi-Fiプレイが実現しなかったのは本当に残念です。これが実現してたら、もっと劇的な変化があったと思うんですよねえ……。