Impress Watchに、Atom 330とVIA Nano L2200を比較したベンチマーク結果が掲載されています。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1224/nishikawa.htm
ここで注意することは、ベンチマークに使っているソフトがHDBenchということ。HDBenchは、Intelのハイパースレッディングを想定していなくて、マルチCPUの結果を出すために「結果を論理プロセッサ数倍だけ増やす」という処理をしています。そのため、あまりアテになりません。手元にAtomやHT搭載Pentium4がある人は、試しにHTをOFFにしてみるとスコアが約半分になるので、それが分かると思います。
HDBenchのアテにならなさは、以下のサイトが参考になります。
Pentium 4 3.2G / Integer 99572 / Float 123385
Athlon64 3400+ / Integer 112378 /Float 120224
http://www.vuvu-world.com/pc_niigata/bench_04.htm
これは、シングルスレッドのPentium4と、シングルコアのAthlon64の比較です。これが、HT対応Pentium4と、デュアルコアのAthlon64X2の比較になると……
Pentium 4 3.4G / Integer 170711 / Float 198115
Athlon 64 X2 4200+ / Integer 206122 / Float 241647
http://www.vuvu-world.com/pc_niigata/bench_05.htm
……ん、いくらHT対応CPUとはいえ、HT非対応CPUの2倍近い(※HTを有効にするとシングルスレッドあたりの処理性能が落ちます)結果にはならないという事は推測できますよね。それに対して、実際に処理を行うプロセッサ数が増えたデュアルコアなAthlon64X2は、マルチスレッド対応アプリなら2倍近い性能が出る事は推測できます。そこから、上記の結果は「単にシングルの結果を2倍しているだけでは?」と推測できます。
実際に、
Pentium 4 3.4G / Integer 170711 / Float 198115
Pentium D 830 3.01GHz / Integer 181613 / Float 205115
http://www.vuvu-world.com/pc_niigata/bench_05.htm
なぜかシングルコアのPentium4と、デュアルコアのPentium Dが似たような数値に……。Pentium Dは単純にPentium 4を2個くっつけたCPUなので、結果がシングルコアなPentium4の2倍近いことは不自然ではありません。
というわけで、「HDBenchは、ハイパースレッディングに対応したCPUで使用すると、不正確な(約2倍程度高いな)数値が出る」ことが結論づけられます。
そこから最初のベンチマークを見てみると
Atom 330 / Integer 188724 / Float 129634
Nano L2200 / Integer 106201 / Float 62037
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1224/nishikawa.htm
AtomはHT対応なので、結果を半分にしてみましょう。
Atom 330(HT無効) / Integer 94362 / Float 64817
Nano L2200 / Integer 106201 / Float 62037
となり、だいたい似たような数値になります。……ていうか、Nanoってシングルコアなんですよね。なのにデュアルコアAtomと同じような数値が出るってことは、驚異的なシングルスレッド性能が出ていると結論づけてもいいんじゃないでしょうか。
Integerの結果は、冒頭のPentium4/3.2GHzを上回るくらいなので、ゲーム等は快適に遊べるかもしれません。
けつろん:VIA Nanoすげえ!