「使ったら、充電器に置く」使い方のほうが長持ちするのかもしれません。
ニッケル水素電池は、放電深度(DOD: Depth of discharge)とサイクル数の対数がほぼ反比例の関係になります。
ニッケル水素電池の寿命は、正極に使用されている導電剤が放電により還元されることによる正極利用率の低下と、負極で使用されている水素吸蔵合金の腐食による電解液の消費が主要因となっています。
サイクル的な用途で使用する場合、DODは100%つまり完全放電状態まで使い切ることが一般的です。このとき正極は電気化学容量が残っていないため、負極の電位に近づく事になります。
正極に用いられる導電剤は負極の電位に近づくと還元されてしまい、導電剤としての機能が低下してしまいます。また、放電時に電池容量がなくなるとき、つまり電池電圧が1V以下になるときに、負極の電位も一時的に正極の電位に影響されて上昇し、負極の水素吸蔵合金が若干腐食する反応が起こります。
また、負極の水素吸蔵合金は充放電により水素の吸蔵放出反応を行うときに結晶の膨張収縮が起こりますが、そのストレスにより、合金が割れていく微粉化反応が起こりより腐食しやすくなります。
従って、これらの反応が起こりにくい、浅い充放電を繰り返した場合、ニッケル水素電池のサイクル寿命は飛躍的に向上します。
http://industrial.panasonic.com/www-data/pdf/ACG4000/ACG4000PJ2.pdf
たとえば放電深度が30%の場合は10000回再充電しても80%の容量を維持しますが、90%放電した場合、1000回でそのレベルにまで低下してしまいます。100%全部使うと500回程度ですね。
というわけで、放電深度が低い(=あまり使っていない)ときに充電したほうが、エネループ等に使われているニッケル水素は長持ちするようです。これからは、こまめに充電しましょう。